12人のスパイ

12人のスパイ
2019年「聖書美術」シリーズコイン
「聖書美術」シリーズ　第23次

エジプトからの脱出に続き、イスラエルの子供達は約束の地であるカナアンへ向かうため、砂漠の地をさまよっていました。2年目のとある日、彼らはパランの荒野にたどり着きました。モーセは神と相談し、この地を調べるためのスパイを遣わすことにしました。12の部族の長に会い、それぞれの街と住民を調査するよう依頼しました。

40日後にそのスパイが戻ってくると12のうちの10つの報告が悪い知らせでした。「ミルクと蜂蜜が流れていた」と証拠である大きなブドウの房を持ってきたものの、そのほかの悪い話は人々を怖がらせました。住民をむさぼり食う巨人を見たという話で、その地の人々があまりにも彼らには強すぎることを報告しました。神に忠実であるジョシュアとカレブは、約束の地こそが安全で、神の奇跡により人々が守られている唯一の土地であると信じていました。

スパイの報告を聞いた後、人々が泣き崩れてしまったため、ユダヤ暦のアーブの月の9日目であるティシュアー・ベ＝アーブは涙の日とされています。長い時を経て、エルサレムの最初と２番目の寺院が破壊された時もまた、この涙の日でした。

スパイを40日間遣わせた引き換えとして、イスラエル人が約束の地にたどり着くには40年の歳月を要しました。若い者のみがその約束の地にたどり着くことができました。

コイン詳細

表面：イスラエルの国章、額面、英語、ヘブライ語、アラビア語での「イスラエル」の刻印、鋳造年とミントマーク、3言語での「12人のスパイ」の刻印、下部にブドウの房を象徴した模様。

裏面：中心部に、スパイがキャンプにてイスラエルからの肥大な７種の果物を持ち寄る光景を描いた模様「ついに彼らはエシコルの谷に行って、そこで一ふさのぶどうの枝を切り取り、これを棒をもって、ふたりでかつぎ、また、ざくろといちじくをも取った。（民数記 13:23）」右上の線部には７種のほかの果物を象徴するオリーブの枝が描かれており、右下には大量のざくろが描かれています。左側のポットからはミルクが流れており、聖書が21回も言及している「ミルクと蜂蜜の流れる地」という表現でイスラエルを表しています。

デザイナー：リラーチ・ルビン（Lilach Rubin）